
写真の商品:100%遮光トレンチコート(シャンパンベージュ)
コラム:日光過敏症とトレンチコート
こんにちは。WEB担当のsakabeです。
ロサブランでは日傘や遮光帽子が人気商品となっており、 そこから弊社を知っていただいたお客様も多くいらっしゃるかと存じます。
ですが、日傘や帽子以外にもさまざまな遮光商品に注力していて、 その中でも100%遮光トレンチコートと日光過敏症のお客様についてご紹介させていただきます。

写真の商品:100%遮光トレンチコート(シャンパンベージュ)
100%遮光ウェアと日光過敏症の関係
100%遮光ウェアとは、その名の通り100%遮光生地で作られた洋服になります。
しっかりと遮光されたいお客様はもちろんですが、 もともと、100%遮光ウェアは日光過敏症のお客様との出会いで誕生した商品でした。

日光過敏症とは?
日光過敏症(通称:日光アレルギー)は、紫外線に対して皮膚が過剰に反応してしまう体質で、 皮膚の炎症に伴う痛みや水ぶくれに加え、重篤の場合はアレルギー反応が全身に及び、命に関わるケースも報告されています。
芦屋ロサブランは販売を通じて、このような症状に深くお悩みの方々の存在に気づき、 実際にお会いしてお話を伺う中で、商品づくりに活かせる多くの気づきと知見をいただきました。
そして、過剰な遮光の出で立ちから、偏見の視線や中傷を受けるなど、 心にも傷を負われていることも知りました。
100%遮光ウェアは特に、そのような方々と共に歩んできた商品でした。

スリットで通気性を確保した100%遮光トップス(現在は完売)
遮光ウェアづくりにおける制約と工夫
遮光ウェアは光を遮る関係上、生地はどうしても通気性を失い(空気が通る=光が通過する)、 一般的な生地と比較しても伸縮性がかなり少ないという制約があります。
そのような特殊な条件から、 「スリットを多く取り入れ通気性を確保する」「動きやすさの確保にサイドにジッパーを施す」など、 多くのアイディアを取り入れましたが、完成するウェアのデザインは少し特殊なものが多くなっていました。
それでも、たくさんの日光過敏症のお客様から感謝のお言葉を頂きました。
しかしながら、ほかの商品と比べるとどうしても販売数が限られており、生産コストも高価なことから、継続的な生産は難しい状況でした。

卒業式のための100%遮光ウェアについて
100%遮光ウェアが品薄になっていたとある日、 遮光ウェアながらカジュアルなデザインの「100%遮光ベンチコート」 の再販をご希望のお客様からご連絡がございました。
その方は以前から、日光過敏症のお話をお伺いしていた大切なお客様でした。
「東京の大学院を卒業する息子の卒業式に参加したい。」 そして、その際に足首付近までの長さのあるベンチコートを着用されたいとのことでした。

ご要望に沿う形で、ベンチコートの再販も一度は検討しました。 ただ、卒業式という場には少しカジュアルすぎるかもしれない。 加えて、どうしても遮光ウェア特有の雰囲気が出てしまうのも気になりました。
もっと自然に、遮光ウェアに見えず、式典のような場所にも馴染む一着のほうが良いのではないか そんな思いが、私たちの中に芽生え、新しい遮光ウェアの制作に取り掛かりました。
お届け後には、大変ありがたいことにご満足の声と感謝のメッセージを頂戴しました。 この経験は、私たちがこれまで遮光商品と向き合ってきた意味を、あらためて深く感じさせてくれるものでした。

遮光ウェアに見えないトレンチコートを目指しました
これからも、芦屋ロサブランにできることを。
遮光商品はデザインだけでなく、品質や機能性が重要になります。
芦屋ロサブランはこれまでの経験値を活かし、一人ひとりのお声に耳を傾けながら、 私たちにしかできないことを、丁寧に、まっすぐにかたちにしていきます。